2025年11月22日より、山梨県富士吉田市を舞台に、「FUJI TEXTILE WEEK 2025」が開幕します。
2021年に始まったこのイベントは、織物産地とアートを融合させた「布の芸術祭 」と呼ばれており、国内では唯一の取り組みです。
空き家や廃工場が展示会場として活用されていて、街歩きと合わせて楽しめるのも特徴の一つです。
そんな「FUJI TEXTILE WEEK 2025」の会場を巡りながら、今年放送された「ホットスポット」の聖地巡礼も一緒に楽しんでしまおうというのが、今回ご紹介するモデルコースです。
秋の富士吉田で、雪化粧した富士山を眺めながら、街歩きで「FUJI TEXTILE WEEK 2025」と「ホットスポット」の聖地巡礼を楽しんでみませんか。
織物の産地・山梨県富士吉田市で布の芸術祭 「FUJI TEXTILE WEEK 2025」が11月22日〜12月14日にて開催決定!
2021年に始まったこのイベントは、織物産地とアートを融合させた「布の芸術祭 」と呼ばれており、国内では唯一の取り組みです。
空き家や廃工場が展示会場として活用されていて、街歩きと合わせて楽しめるのも特徴の一つです。
そんな「FUJI TEXTILE WEEK 2025」の会場を巡りながら、今年放送された「ホットスポット」の聖地巡礼も一緒に楽しんでしまおうというのが、今回ご紹介するモデルコースです。
秋の富士吉田で、雪化粧した富士山を眺めながら、街歩きで「FUJI TEXTILE WEEK 2025」と「ホットスポット」の聖地巡礼を楽しんでみませんか。
織物の産地・山梨県富士吉田市で布の芸術祭 「FUJI TEXTILE WEEK 2025」が11月22日〜12月14日にて開催決定!
START
1
もんぶらん
第1話から登場する代表的なロケ地
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地元の人たちに長年愛されている、1980年創業の喫茶店です。
パスタやドリア、ピラフはもちろん、パフェの種類も盛りだくさんです。
全部で250種類以上あるメニューは、どれを注文するか迷うこと間違いなしです。
徒歩約7分
2
山梨中央銀行吉田支店「鈴木マサル / Masaru Suzuki」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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国内外の様々なブランドからテキスタイルプロダクトを発表し、テキスタイル以外にも家具や建築空間など様々なシーンに向け、パターンデザインや自身のテキスタイルを軸にしたデザインを展開している鈴木マサル。
高さ10m×横幅20mにもなる山梨中央銀行吉田支店のガラス面全面に色鮮やかなプリントファブリックのカーテンがかかります。同氏にとっても今までで最大規模の布制作となる大型展示です。
・「鈴木マサル」の展示について(公式サイト)
徒歩約5分
3
富士みち(本町通り)
第1話から登場する富士吉田有数のフォトスポット
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2024年3月30日、本町通りに下吉田観光案内所がOPENしました。
下吉田観光案内所の詳細はこちらから
富士山に続くように延びた富士吉田の中心部を通る通称「本町通り」。今やSNSで話題の富士山ビュースポットとなっています。通り沿いに軒を連ねる商店街の味わいのある看板や提灯、雑多に交わる電線などの風景の中に現れる、多くくそびえたつ富士山はまさに、ここだけのオンリーワンの光景です。インスタグラムでもここからの写真が投稿され、最近ではフォトジェニックな写真を撮ろうと多くの観光客や写真家が訪れています。
また、本町通りの両脇には、「東裏」「西裏」と呼ばれる地区があり、「東裏」はかつて昭和の時代織物産業で栄えていた下吉田地区の中でも、多くの問屋が軒を連ねるなど賑わいがあった地区です。今でも昭和にタイムスリップしたかのような、佇まいが残っています。
そして、「西裏」はかつて関東屈指の歓楽街として栄え、今でも居酒屋、焼鳥屋、レストラン、ジャズバー、老舗の割烹料理屋やスナックなど、約100店舗が集まる飲食店街として知られています。
※車道に出ての撮影は大変危険ですのでお止めください。また、付近は商店街や住宅地になっておりますので、撮影の際は静かに行うなどご配慮をお願いいたします。周囲の安全を確保し十分注意しながら撮影をお楽しみください。
徒歩約2分
4
FabCafe Fuji「KYODO PROJECT」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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2022年よりはじまった、国外のデザイナーと織物工場のデザインコラボプロジェクト。2025年の万博では、同プロジェクトをきっかけに生まれた巨大カーテンがオランダ館にて展示されました。今年は、オランダ、フランス、台湾のデザイナーと共に、産地の技術を集結して生み出した多種多様なデザインプロダクト展示予定です。
・「KYODO PROJECT」の展示について(公式サイト)
徒歩約1分
5
旧すみれ洋装店「メイタ・メイリタ / Meita Meilita」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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メイタ・メイリタは、テキスタイルとクラフトを通じて「記憶」「歴史」「生の経験」の交差点を探究する。女性であり母であるという自身の視点から、手刺繍と機械刺繍の両方を用い、芸術表現手段であると同時にアーカイブの方法として実践する。公的な歴史記録からこぼれ落ちた物語に焦点を当て、個人的な物語や口承史、記憶を宿したオブジェを集める共同的なプロセスから作品を制作する。香港のヘリテージ・アート・アンド・テキスタイルセンター(CHAT、2025)、ジャカルタのテキスタイル・ミュージアム(2024)など国際的に作品を発表。ドイツ・ライプツィヒ国際アートプログラム(2021)、台湾・Paterongan Art(2025)といったアーティスト・イン・レジデンスにも参加している。FUJI TEXTILE WEEK 2025会期中はKURA HOUSE AIRに参加。
・「メイタ・メイリタ」の展示について(公式サイト)
徒歩約2分
6
SARUYA HOSTEL「大木 もと子 / Motoko Oki」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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染色家。伝統的な手染めの技法を用い、自然における色彩や質感の美しさをテーマに作品を制作する。臈纈染め・抜染・顔料によるシルクスクリーンなど、多様な技法を組み合わせ、布の上に多層的で自由な表現を探求、再現性のない独自の美を目指す。 2017年より手染めによる衣のレーベル〈Funatabi Atelier〉を主宰し、全国で個展を開催している。舟旅という名は過程を慈しむ制作過程に由来する。これまでにSARUYA Artist Residencyに参加。
・「大木 もと子」の展示について(公式サイト)
7
SARUYA HOSTEL「平田 基 / Motoi Hirata」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
徒歩約1分
8
KURA HOUSE「ジャリン・リー / Jialing Lee」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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水は生命の起源であり、染色や織物に欠かせない基盤でもあります。富士吉田にはもともと自然の水源が乏しかったものの、人々が人工的に水路や灌漑を整備することで、次第に織物の町として発展していきました。ここでの水は、単なる自然の存在ではなく、人の手によって新たに形づくられた力でもあるのです。
アーティスト李佳玲は、キルティングした布で噴水の彫刻を構築し、「水の器」という隠喩を表現しました。噴水は、人間が水に抱く畏敬と支配の両義性を象徴し、生命の源であり、文明の象徴でもあります。この「見えない水」の背後において、作品は鑑賞者に水の姿を想像することを促します。それがどのように都市に力をもたらし、また目に見えぬ姿のまま、私たちの世界を形づくり続けているのかを。
・「ジャリン・リー」の展示について(公式サイト)
9
KURA HOUSE「長谷川 彰宏 / Akihiro Hasegawa」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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仏教思想を背景とした人物画や、アクリル板を支持体とした抽象的な油彩作品など、多彩な表現で注目を集める長谷川は、天台宗系の寺院に生まれ、2009年に得度、2019年には天台真盛宗西教寺にて四度加行を満行、またアーティストとして、東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻在籍中から精力的な活動を行っています。その幅広い表現には長谷川の根幹にある仏教的思想が感じられ、透徹した人間観や死生観が一貫して表現されています。
本展では、数年前から長谷川が取り組むアクリル板に油絵の具で描画をする抽象画を中心に展示をします。アクリル板に強い照明を当てると、絵画それ自体が内部から光っているかのような一種デジタル的な視覚的効果を生み、長谷川固有の世界観を形成します。「光」は長谷川にとって最も重要なモチーフの一つですが、仏教においても光というテーマはいたるところで重要視されています。例えば、西方極楽浄土の仏として有名な阿弥陀如来は、サンスクリット語でAmitābha(アミターバ)を音写したものですが、その意味は「無限の光」であり、すなわち『南無阿弥陀仏』とは無限の光への帰依だと言えるでしょう。
ここ富士吉田は、長く信仰の場でありました。まさに富士山の山頂には阿弥陀如来がいるとされ、富士そのものが極楽浄土だとする信仰があります。過去には、阿弥陀信仰は来迎図として図像化されてきました。そして同時に、富士山の度重なる噴火の堆積物で守られた縄文時代以降の人々の営みを知ることができる遺物が多く残されている地であります。長谷川はそれらを丹念にリサーチしてきました。
今回の作品では、築80年以上の蔵の一室をお堂に見立て、その長い長い時間軸を再解釈するような、光と影のインスタレーションを展開します。
・「長谷川 彰宏」の展示について(公式サイト)
10
KURA HOUSE「向山喜章 / Kisho Mwkaiyama」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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山々には 比叡や高野、大峯山など観られる山岳信仰の深山の祈りがあり
早朝の寺院に蠟燭(ろうそく)灯り 山麓から吹く横風 光は天より降り立つ
ひとつの点は光線となり 風光の糸はやがてあたたかな厚い一枚の面となる
織物に従事された尊き蔵へ届く円形の祈り 富士の裾野を優しく照らす
山間の縁 ワックスの衣(ころも)着て
・「向山喜章」の展示について(公式サイト)
徒歩約2分
11
月江寺通り
第2話から複数回登場したレトロな通り
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月江寺通りには、和菓子職人の店主がオープンしたカフェ「FUUTO COFFEE AND BAKE SHOP」があります。
テキスタイルウィーク限定のどら焼き販売も販売されていますので、ぜひこの機会に訪れてみてください。
徒歩約1分
12
洋食レストラン M-2
第6話に登場した喫茶店
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昭和の面影が色濃く残る店内で、コーヒーの香り漂うなか、ドリア、カツカレー、ハンバーグなど、往年の洋食が楽しめます。
夭逝したフジファブリックの志村正彦さんが愛した、大根スパゲッティも健在です。
徒歩約2分
13
旧糸屋「安野谷 昌穂 / Anotani Masaho」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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以前から山岳信仰や修験道に興味があった事もあって今回の製作も富士山という存在に思いを巡らす事から始まった。
そして富士吉田の歴史、生活、織物産業や富士講から辿っていくような感覚で、土地ならではの目線をなぞるようだった。
登ると幸せ、極楽浄土が連想されがちな富士山は、例えば富山県の立山信仰の地獄とは真逆のようだが、実際は北斎の赤富士と黒富士のように優しさと厳しさを持ち合わせ、それを和合させた一つの山なのだと感じ取っていった。
リサーチに入った樹海も荒々しい自然の力が溢れかえっていて、決して人間にとって優しい場所とは言えなかった。
本当に生と死が表裏一体となっていた。
現在では観光登山ツアーなどが盛んに行われ、比較的簡単に気軽に登頂することができる。なんなら途中まではバスで行ける。
しかし昔は富士山へ向かうこと自体かなりの体力と資金と気力が必要だった。ましてや険しい道のりを経て山頂にたどり着ける人はごく僅かな選ばれた人たちだけだったと思う。そんな想像を膨らます。
時代が移り変わって極楽浄土も近くなったかと思うとそうでも無い。今は今で今に生きる我々にとっては色々と険しい中にあると思う。どんな時代であれ、その“今”を生きるために天国も地獄も存在していて、そこを意識することはとても大変な事だ。
極楽と地獄が表裏一体に存在する富士と現世の我々の営みを重ね合わせ、”浄土”への道のりを思い描いた。
・「安野谷 昌穂」の展示について(公式サイト)
14
旧糸屋「松本 千里 / Chisato Matsumoto」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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かつて糸や織機が行き交った空間に、絞りを施した布を使って、
織機や柱へと浸食するように広がるインスタレーションを展開した。
ひとつひとつ手で絞られた布は、
使われてきた織機の部品や糸屋の記憶と呼応しながら、
この土地に宿る燃えるマグマと清らかな冷気を吸い込んで、生命の気配を立ちのぼらせていく。
営みと信仰、共存してゆく地脈の彼方で、
富士吉田の底流に流れる生を、布を絞る手の行為によって、
祈るような気持ちで手繰り寄せた。
・「松本 千里」の展示について(公式サイト)
徒歩約1分
15
絹屋町
第8話に1980年の舞台として登場
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絹屋町はかつて昭和の時代織物産業で栄えていた下吉田地区の中でも、多くの問屋が軒を連ねるなど賑わいがあった地区です。当時、毎月1と6のつく日に市が開催されると、全国から商人が集まって軒先で取引を行い、夜は富士吉田の歓楽街「西裏(にしうら)」の町を楽しんだと言われています。現在でもこの絹屋町界隈は、かつて栄えた“商人の町”という昭和レトロな風情を感じることができます。
徒歩約2分
16
高尾家住宅「アレッサンドラ・コラッツィーニ / Alessandra Corazzini」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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映画監督/作家/クリエイター。中東とイタリアのルーツを持ち、多言語の家庭環境により「言語的アイデンティティ」の複雑さを抱えながら育つ。文化的伝承や物語の連続性が希薄化した現代社会における「宗教」「芸術」「神秘主義」の交差点を探究し、「アイデンティティ」と「土地」の関係を軸にした作品を制作する。映像を通じて、意味が、時と場所を超えていかに生まれ、維持され、あるいは失われていくのかを探り続け、多様な声が交錯することで生まれる豊かさを大切にし、他者との協働の中に創造の喜びを見出している。これまでにミュージックビデオ、コマーシャル、短編映画など幅広い作品を手がけており、最新作の短編映画『Talking Shit』は現在配給中。これまでにKURA HOUSE AIRに参加。
・「アレッサンドラ・コラッツィーニ」の展示について(公式サイト)
徒歩約3分
17
而今庵
第6話で行き先の検討が行われたそば店
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八ヶ岳山麓で育まれた玄そばで毎朝店主が打つソバは、香り高く、口に含むと淡い甘味が広がる逸品。つゆは、カツオと昆布の合わせ出汁。素材の味を楽しめるよう、富士山周辺で採れた旬の野菜の天ぷらに塩を添える心遣いも嬉しい。
徒歩約5分
18
旧山叶「相澤 安嗣志 / Atsushi Aizawa」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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富士吉田で集められた膨大な数のデッドストックの布が吊るされ、下方先端は染色されている。布の長さを変えることで、その差が洞窟のように設計され、染色された箇所はレイヤーがモワレのように重なり、複雑な色合いを見せる。それは山の稜線が描かれているようで、鑑賞者はその稜線の中を歩く。
この歩む体験は、鑑賞者に布の軽やかさや風合いを浴びせ、繭の中にいるように心理的安心感を与える。さらに、富士講信者が富士登拝の前日に胎内樹型(溶岩が流れ出た際、樹木を取り込みながら固まり、その後に中の樹木が燃えつき朽ちて樹型の空洞が残った)の洞内を巡り、身を清め、生まれ変わりを経験する信仰行為である胎内巡りを模している。
富士吉田は1万年以上前から人が暮らしており、幾度もの富士山の噴火を乗り越え、富士講たちの信仰や、湧水や雪代、溶岩台地が土壌となり人々の暮らしや文化が形成されてきた。
絹が日本に伝わって約2000年になるが、日本の気候風土が絹の生産に適していたこと、絹の美しさや風合いが日本人の感性や美意識、皮膚の感覚に合致したことなどのために独自の発展を遂げた。富士吉田でも気候風土が合致し絹文化が発展することにより甲斐絹などが生まれ、富士山信仰とも結びつき、さらには養蚕守護として富士山の神である木花開耶姫命(このはなのさくやひめ)が祀られる。そして、富士山の清らかな湧水は、染色や洗浄に適しており、古くから機織りの町として栄えてきた。
富士山の圧倒的ダイナミズムの野性が基盤となり、そこに人が持つ理性が融合し文化がつくられてきたことにより、それが富士吉田の地域性となった。富士山を中心として人々の暮らしが歴史とともにグラデーションのように広がり、富士山の標高から人の生活圏内までは様々な領域がレイヤーとして存在している。
私は幼少期を里山で過ごし、自然の営みに沿って生活した経験が、富士吉田の変遷や生活に共鳴し、富士吉田で培われてきた織物や歴史を遺産としてではなく、未来へと紡ぐ物語のツールとして捉え、自然と人間の交わる境界領域を考察する。
・「相澤 安嗣志」の展示について(公式サイト)
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旧山叶「齋藤 帆奈 / Hanna Saito」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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織り柄の入った絹の反物に、粘菌の変形体が植え付けられている。粘菌は色素を含んだエサを摂取しながら移動し、その排出物は反物の上に軌跡として残されていく。変形体は流体の性質をもち、川が地形に沿いながらときに溢れ出て分岐するように、織り目や織り柄に沿うこともあれば、そこから逸れていくこともある。粘菌の動きによる紋様は、布と粘菌のあいだに生じる相互作用を、時間の経過とともに可視化していく。
・「齋藤 帆奈」の展示について(公式サイト)
20
旧山叶「増田 拓史 / Hirofumi Masuda」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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二度目に富士吉田を訪れた際、この地では戦時中に落下傘用の絹生地が生産されていたという話を伺った。落下傘が絹で作られていたという事実は私にとって大きな驚きであり、同時に強い関心を呼び起こした。調べを進めるうちに、絹には「軽い」「堅牢である」「適度な空気透過性をもつ」という、落下傘にとって不可欠な性能が備わっていることがわかってきた。
産業技術センター富士技術支援センターに残された資料からは、富士吉田における陸軍向けの絹生地生産の動きは昭和9年頃に始まり、落下傘向けの絹生地の生産は昭和18年には行われていたことが読み解ける。甲斐絹を基盤として培われた技術力が国(軍)に評価されての製造依頼であったのだろうか。
かつて甲斐絹や洋傘地で名を馳せたこの街では、美しく、嗜好性の高い布を織る技が受け継がれてきた。特にその同じ場所で、戦時中には「命を守るための布」が織られていたのである。
本来、衣服とは人が身体を守るために纏うものである。嗜好や権威を象徴する華やかな織物を生み出してきた織機が、広い意味での“防御”へと役割を移したことは、一種の原点回帰のようにも思えた。終戦とともに役割を終えた落下傘やその生地が、生活を立て直すための日用品として再利用された記録や証言にも触れた。また、落下傘という形そのものも時代の中で変容し、現代では異なる目的をもって様々な場面で活用されている点も興味を引いた。
本作では、現代の機場で動く織機の光景、当時を知る人々への聞き取り、関連資料のリサーチ、そして洋傘と落下傘を重ね合わせた表現をもとに、映像を小説的に構成した。映像には語りを用いず、字幕のみで進行する。字幕を読み進める行為は、鑑賞者自身の記憶や経験を呼び起こし、映像を補完しながら受け止める余白を生む。そのラチチュードの広さを大切にした。
道路沿いに設置したインスタレーションでは、ライン生産された傘を用い、落下傘が展開し、地上へと降り立つまでの瞬間をショーウィンドウのように構成した。戦時中に落下傘を織っていた人々も、いつか再び華やかな布を織れる日を願っていたのかもしれない。
現代の織機は大小さまざまな部品が連動し、ひとつが欠けるだけで綺麗な製品はできない。その姿は、小さな要素=個々人が集まってひとつの社会を形づくる様にも見える。また、目的のためには止まることのできなかった時代への、かすかな皮肉のようにも感じられた。
・「増田 拓史」の展示について(公式サイト)
21
旧山叶「キンバリー・クッキー=ガム / Kimberley Cookey-Gam」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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イギリス系ナイジェリア人アーティスト。 クラフトを通じた癒しを探求し、生物模倣、スピリチュアリティ、そしてイボ族の文化的ルーツに基づいている。かぎ針編みを用いて有機的・細胞的な構造を拡大し、それらを彫刻、衣服、そして機能的なオブジェへと変容させる。これまでにSARUYA Artist Residencyに参加しており、FUJI TEXTILE WEEK 2025会期中も富士吉田市内に滞在して活動中。
・「キンバリー・クッキー=ガム」の展示について(公式サイト)
22
旧山叶「coconogacco」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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デザイナー ⼭縣良和が主宰するファッションを学ぶ学校「coconogacco(ここのがっこう)」や、インディペンデント系書店などとのジャンルを超えたコラボレーション企画を計画中。⽇頃⾝近にありながら、その存在を⾒つめることの少ない「布」の世界を、分野を超えた連携を通して、新しい魅⼒に触れていただきます。詳細は決まり次第随時ご紹介いたします。
・「coconogacco」の展示について(公式サイト)
徒歩約7分
23
青龍飯店
第6話で行き先の検討が行われた中華店
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ラーメン、定食、丼ものなど様々なメニューが揃っている、昔ながらの中華料理店です。
体を温めながら、これまでの散策について振り返るのにもってこいなお店です。
徒歩約7分
24
下吉田第一小学校プール「柴田 まお / Mao Shibata」
FUJI TEXTILE WEEK 2025
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Covid-19のパンデミック以降、身体を介した直接的な関係が制限され、私たちはスクリーンを通した間接的な世界を生きるようになった。この変化は、物理的な距離だけでなく、精神的・感覚的な距離にも影響を及ぼし、現実と虚像、存在と不在の境界を曖昧にしている。そのあわいに生まれる「つながり」や「隔たり」を、彫刻というフィジカルな行為と、デジタルのレイヤーを重ねながら探り、情報化社会における人と人との関係性や距離感、そしてそのあいだに生まれるコミュニケーションの構造を主題としてきた。
本作は、その探求の延長線上にあり、富士山の麓・富士吉田という土地の歴史と記憶を重ね合わせた作品である。この地は、富士山の湧水を源とする豊かな水に恵まれ、古くから織物産業が栄えてきた。また、富士山信仰の玄関口として、人々の祈りや生活が自然と結びついてきた場所でもある。本作では、そうした「水」と「布」の記憶、そして信仰に宿る精神性を手がかりに、現代における可視/不可視の関係を問い直している。モチーフである蓮は、富士吉田の明見湖(はす池)を起点としている。泥の底に根を張り、水面に清らかな花を咲かせるその姿は、「不浄と清浄」「現実と虚像」「内と外」を媒介する象徴として古くから語られてきた。その構造は、現実と非現実を往還する本作の空間構成とも響き合っている。
会場となる屋内プールには、薄く水が張られ、その水面上に、アルミニウムで成形された青の蓮葉と、青の布のヴェール、そしてそれらを映し出す映像が重層的に配置される。会場に設置された青い蓮たちは、ブルーバックを用いたクロマキー合成によって、カメラの前を通り過ぎる人々とともに映像としてモニターに映し出される。画面上ではその「青」は抜け落ち、現実とは異なるもうひとつの姿が現れる。だが、実際の空間には確かにその“形”が存在し、会場を訪れた者だけがその実体を体験することができる。
また、鑑賞者は水面に足を踏み入れ、反射や波紋を通して空間に干渉し、光と映像の揺らぎのなかで自らの存在を感覚的に捉える。その行為によって空間は絶えず変化し、現実の光景とスクリーン上の像、実体と虚像が重なり合いながら現前する。
そこで生じる“ズレ”や“欠落”こそが、この作品の中心的な構造である。
《Blue Lotus》は、光と水、物質と映像が交差する場において、“見ること”と“存在すること”の関係を再考する試みである。
蓮が泥から光へと伸びていくように、現実と虚像、身体とデータ、記憶と現在のあいだに生まれる「現代のかたち」を静かに描き出している。
・「柴田 まお」の展示について(公式サイト)
徒歩約7分
25
西裏地区
第6話に登場した新世界乾杯通りのある西裏地区
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かつて機織産業で栄えた富士吉田市。中でも西裏地区は、繁華街として多くの人で賑わっていました。今もなお昭和の香りが残る建物や景色が多く、レトロな雰囲気の飲食店には夜な夜な呑兵衛たちが集まります。ここでしか味わえない瞬間を求め、西裏のディープスポットをはしごしましょう。
盛りだくさんな今回のモデルコースを締めくくるのには、ぴったりなスポットです。
・富士山麓の街、富士吉田のディープスポット「西裏地区」ではしご酒
GOAL

