五合目と山頂までの中間点
標高3,150メートル、吉田口登山道(吉田ルート)八合目2番目に位置し、かつては蓬莱室と呼ばれていました。「蓬莱」とは霊山や仙境の美称でで、「蓬莱山」は中国の『秦始皇本紀』に三神山の一つと記されています。この地域では、徐福が秦の始皇帝の命で蓬莱山にある不老長寿の仙薬を探す旅に出て、見つけた仙薬が富士山に自生する苔桃の果実(地元では“はまなし”)であると伝えられています。
ふじさんには霊場とされている信仰の場が多く、この小屋の近くにもその形から『亀岩』と呼ばれる大きな岩があり、八大竜王と後に福徳弁天が祀られた祠があります。かつては、山小屋内に亀岩神社があり、現在では富士講の祖 長谷川角行も祀られています。
自然相手の営みは、人の力ではそうすることもできず、神仏・自然への畏敬の念を忘れないことから各山小屋では様々な神仏が祀られ、今も大切にされています。この小屋では、毎朝10時に小屋にある太鼓を10回鳴らし、登山者と山の安全を祈ります。天気の良い日は高い音で良く響き、悪天候の日は籠った低い音で響かないとのことです。
(出典:富士山吉田口環境保全協議会 山小屋だより)
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