海抜1万尺、七合目最後の山小屋
標高3,000メートル、吉田口登山道(吉田ルート)七合目最後の山小屋であり、記録が残っているだけでも10代以上続く、歴史ある山小屋。古くは小屋主の名前から「藤五郎小屋」とも言われていました。またカマ岩尾根の一番上に位置して落石等の危険も少ないことから「安全室」とも呼ばれていました。
昭和に入って間もなくはここ東洋館には警察電話が設置され、昭和25年から55年までは警察の臨時派出所も置かれていました。(昭和56年以降は六合目安全指導センターに移行)
山小屋の下には「お穴」といわれる八畳ほどの水の滴る溶岩洞窟があり、水にまつわる神として八大竜王が祀られています。また、山小屋では水が大変貴重で、現在よりも運搬が困難な時代には、雨水の他に吉田大沢にある万年雪を屋根に載せて溶かして利用していました。しかし、足場の悪い場所で、切り出し、背負子で運んでも得られる水の量は僅かだったとのことです。
(出典:富士山吉田口環境保全協議会 山小屋だより)
- カテゴリ
- 富士山山小屋
- 体験
- 世界遺産・歴史・文化